農業法人とは、「法人形態」によって農業を営む法人の総称です。この農業法人には、「会社法人」と「農事組合法人」の2つのタイプがあります。
また、農業法人は、農地の権利取得の有無によって、「農地所有適格法人」と「一般農業法人」に大別されます。
「農地所有適格法人」は、”農業経営を行うために農地を取得できる法人”です。また、法人形態や事業、構成員、役員についても一定の要件があります。法人化する場合、どのタイプの法人を選ぶのか、それぞれの法人形態の特色や自らの経営展開に照らして選択する必要があります。
農地所有適格法人の要件
農地法に規定された農地所有適格法人の要件は、「組織形態要件」「事業要件」「構成員要件」「業務執行役員等要件」の4つの要件があります。この要件は、設立の時に満たされるだけではなく、設立後も満たされていることが必要です。農地所有適格法人は、農地の権利を取得した後も、この要件に適合していることを確保するため、毎事業年度の終了後3か月以内に、事業の状況等を農業委員会に報告することが義務づけられています。
なお、農事組合法人の場合は、農業協同組合法によって、事業内容の限定や構成員、業務執行役員の資格などが定められており、これらの要件にも注意することが必要です。
要件 | 要件の内容 |
1 組織形態要件 |
・農事組合法人 ・合名会社 ・合資会社 ・合同会社 ・株式会社(株式譲渡制限会社(公開会社でない)に限る) |
2 事業要件 | 主たる事業が農業(農業関連事業も含む)であること |
3 構成員要件 |
農地所有適格法人の構成員(組合員、株主又は社員=出資者)が全て次のいずれかに該当すること ア 農地等を提供した個人 イ 農業(関連事業を含む)の常時従事者 ウ 農業協同組合、農業協同組合連合会 エ 農地を現物出資した農地中間管理機構 オ 地方公共団体 カ 農業法人投資育成会社(承認会社) キ 農作業の委託を行っている個人 ク 継続的取引関係にある者(議決権に制限あり) |
4 業務執行役員等要件 |
法人の業務執行役員等で次の要件をいずれも満たすもの (1)農地所有適格法人の業務執行役員の過半の者が法人の農業に常時従事する構成員であること (2)上記(1)に該当する役員又は重要な使用人のうち、1人以上が原則60日以上農作業に従事すること |
詳細につきましては、農業委員会事務局へお問い合わせください。