「今、日本人の約8人に1人は慢性腎臓病(CKD)である。」と言われています。さらに問題なのは、多くの人が慢性腎臓病になっていることを知らない、ということです。
腎臓はかなり悪くなるまで症状(むくみや貧血など)が出ないため、症状が出た時には透析直前ということも少なくありません。また、慢性腎臓病は心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしやすくなり、命の危険も高まります。
最近になって、慢性腎臓病はその原因疾患によって経過に大きな違いがあることがわかってきました。糖尿病性腎症で腎臓内科にかかっている人は、どの段階でも心血管障害を10%前後起こし死に至った方もいるのに対し、原発性糸球体腎炎による慢性腎臓病では、心血管障害の発症は糖尿病性腎症の10分の1に過ぎませんでした。
また、出生時に早産だったり、体重が小さかった場合には腎臓のろ過を行っている糸球体の数が少ない、ということもわかってきました。糸球体は再生したり増えたりしないので、現状維持で守っていくことが非常に重要です。
腎臓が悪くなる原因として、糖尿病や高血圧症、高尿酸血症などの生活習慣病がありますが、日々の食生活や運動状況、休養などの改善を行い、腎臓に負担をかけないようにすることが非常に重要です。慢性腎臓病は生活習慣病の有無にかかわらず早めに見つけることで、悪化の予防や治療をすることが可能です。
まずは、自分の腎臓機能の状況を把握しましょう。そして、慢性腎臓病の発症および悪化を予防して、今の生活を守りましょう!
*朝倉市の特定健診では、尿蛋白・eGFR(推定糸球体ろ過量)がわかります。 ~eGFR(推定糸球体ろ過量)は、性別・年齢・血清クレアチニンから算出できます~
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