○朝倉市市民活動保険の補償基準、事務手続等に関する要綱
平成22年3月26日
告示第54号
(趣旨)
第1条 この要綱は、市民活動中の賠償事故又は傷害事故の発生に備え、保険業法(平成7年法律第105号)第2条第4項に規定する損害保険会社(以下「保険会社」という。)との間で賠償補償対象者及び傷害補償対象者を被保険者とし締結する保険(以下「市民活動保険」という。)に加入することに伴い、その補償基準、事務手続等に関して必要な事項を定めるものとする。
(1) 市民団体 市内に活動の拠点を置き、5人以上により自主的に組織されている団体であって、公益性のある活動を継続的かつ計画的に行うもの(政治団体、宗教団体、企業等営利目的の団体及びこれに類する団体を除く。)
(2) 指導者 市民団体において市民活動の計画立案及び運営の指導的地位にある者又はこれに準ずる者(市外居住者を含む。)
(3) スタッフ 市民団体の構成員又は指導者の補助員等市民活動の実施に伴い、その運営に従事する者(市外居住者を含む。)
(4) 参加者 市民活動に参加中の者(市外居住者を含む。)をいい、当該活動の観覧者や応援者(スポーツ活動において当該活動に直接起因して傷害を被った者を除く。)以外の者
(5) 市民活動 市、市が出資した法人、市民団体又はこれに準ずる団体が行う別表第1に掲げる活動(日本国内で行われるものに限る。)であって、市民が本来の職務を離れて自主的に無報酬(実費弁償を除く。)で参加するもの(政治、宗教又は営利を目的とする活動、園児、児童又は生徒を対象とした学校行事及び救助ボランティア活動等の危険度が高いものを除く。)
(6) 賠償補償対象者 市民団体、市、市が出資した法人若しくはこれに準ずる団体又は市民活動の指導者、スタッフ若しくは参加者
(7) 傷害補償対象者 市民活動の指導者、スタッフ又は参加者
(8) 担当課等 市民団体への補助金等の交付若しくは助言、指導又はその設立への関与において、当該団体の市担当窓口である課(これに相当する室、所及び事務局を含む。)及び教育委員会
(補償の対象)
第3条 補償の対象となるものは、次に掲げるとおりとする。
(1) 賠償補償対象者が、市民活動中に第三者の生命若しくは身体を害し、又は第三者の財物を滅失し、毀損し、若しくは汚損した場合において、法律上の賠償責任を負担すること(以下「賠償事故」という。)によって損害を被る場合
(2) 傷害補償対象者が市民活動中に発生した偶然の事故(以下「傷害事故」という。)により死亡し、又は負傷した場合であって、別表第3に定める支給事由に該当する場合
(免責)
第4条 賠償事故のうち、次に掲げる事由に基づくものについては、補償の対象とならないものとする。
(1) 賠償補償対象者の故意
(2) 戦争(宣戦の有無を問わない。)、変乱、暴動、騒じょう又は労働争議
(3) 地震、噴火、洪水、津波その他これらに類似する自然変象
(4) 日本国外の裁判所において提起された損害賠償請求訴訟に係る賠償責任
(5) 賠償補償対象者と世帯を同じくする親族に対する賠償責任
(6) 賠償補償対象者と第三者との間に損害賠償に関する特別の約定がある場合において、その約定によって加重された賠償責任
(7) 施設の新築、改築、修理、取壊しその他の工事に起因する賠償責任
(8) 航空機、昇降機、自動車、施設外における船若しくは車両(原動力が専ら人力である場合を除く。)又は動物の所有、使用若しくは管理に起因する賠償責任
(9) 市民活動保険の契約約款に定められた事由
2 傷害事故のうち、次に掲げる事由に基づくものについては、補償の対象とならないものとする。
(1) 傷害補償対象者若しくはその法定代理人の故意又は重大な過失若しくは法令違反
(2) 戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変又は暴動
(3) 地震、噴火又はこれらに随伴して生じた津波
(4) 核燃料物質(使用済燃料を含む。)又は核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含む。)の放射性、爆発性その他有害な特性による事故
(5) 傷害補償対象者の自殺行為、犯罪行為又は闘争行為
(6) 傷害補償対象者が飲酒、麻薬、大麻、あへん、覚せい剤、シンナー等の影響により正常な運転ができないおそれがある状態(無免許運転の場合を含む。)で、自動車又は原動機付自転車を運転している間に生じた事故
(7) 傷害補償対象者の脳疾患、疾病又は心神喪失(日射や熱射による熱中症等を除く。)
(8) 傷害補償対象者の妊娠、出産、早産、流産又は外科的手術その他の医療処置
(9) 大気汚染又は水質汚濁等の環境汚染(環境汚染の発生が不測かつ突発的である場合を除く。)
(10) けい部症候群(むちうち症)又は腰痛で他覚症状のないもの
(11) 市民活動保険の契約約款に定められた事由
(補償期間)
第5条 補償期間は、市民活動保険の契約期間によるものとする。
(賠償事故に係る保険金の種類及び額)
第6条 賠償事故における保険金の種類及び額は、次に掲げる損害又は費用の額に相当する合計額とする。ただし、その額が別表第2に規定する支払限度額を超える場合は、保険金の額は当該限度額とする。
(1) 賠償補償対象者が被害者に支払う損害賠償金(損害賠償金を支払うことにより代位取得するものがある場合は当該相当金額を控除した額)
(2) 賠償補償対象者が他人から損害の賠償を受けることができる場合において、その権利を保全し、又は行使する義務を履行するために支出した必要又は有益な費用
(3) 賠償補償対象者が損害を防止し、若しくは軽減するため又は必要若しくは有益な手段を講じるために費用を支出した後、損害賠償責任がないことが判明した場合において、当該支出した費用のうち被害者に対する応急手当、護送その他の緊急措置に要したもの及びあらかじめ市長が支出を承認したもの
(4) 賠償補償対象者が市長の承認を得て支出した訴訟費用、弁護士報酬及び仲裁、和解又は調停に関する費用
2 賠償補償対象者が他の賠償責任保険契約等を締結している場合において、市民活動保険を含むそれぞれの保険契約について、他の保険契約がないものとして算出した填補責任額の合計額が損害の額を超えるときは、市民活動保険による填補責任額に、市民活動保険による填補責任額の当該合計額に対する割合を乗じて得た額を填補するものとする。
(傷害事故に係る保険金の種類及び額)
第7条 傷害事故において支給されるべき保険金の種類、支給事由及び保険金額は、別表第3に定めるとおりとする。
2 別表第3に掲げる保険金については、傷害補償対象者1人につき、それぞれ支払うことができる。
3 前項の規定にかかわらず、傷害補償対象者1人ごとに、同一の事故により既に支払った後遺障害保険金(以下「既払後遺障害保険金」という。)がある場合は、死亡保険金は既払後遺障害保険金を控除した残額をもって限度とし、同一の補償期間内に既払後遺障害保険金がある場合は、後遺障害保険金は既払後遺障害保険金を控除した額とする。
(事故発生報告及び事故通知)
第8条 賠償補償対象者及び傷害補償対象者(以下「補償対象者」という。)は、賠償事故又は傷害事故(同時発生の場合を含む。)が発生したときは、事故発生日から60日以内に市民活動(賠償・傷害)事故発生報告書(様式第1号。以下「報告書」という。)及びその記載内容を確認できる書類を市長に提出しなければならない。ただし、報告書を60日以内に提出できない理由があると市長が特に認める場合は、この限りでない。
(保険金の請求)
第9条 賠償事故の保険金の支給を受けようとする賠償補償対象者は、損害賠償責任に係る訴訟仲裁、和解、調停等の法律的な解決を終えた後に、市が指定する保険金請求書に必要な書類を添付して、市を経由して保険会社に提出するものとする。
2 傷害事故の保険金の支給を受けようとする傷害補償対象者は、別表第3に定める支給事由の充足が確定した後(入院保険金及び通院保険金にあっては、全ての治療が完了した後)に、市が指定する保険金請求書に必要な書類を添付して、市を経由して保険会社に提出するものとする。
(保険金の支給等に係る手続)
第10条 前条の規定による請求に基づく保険金の支払手続等は、補償対象者と保険会社において直接行うことができる。ただし、補償対象者が市である場合は、この限りでない。
(その他)
第11条 この要綱に定めのない事項については、市民活動保険の契約約款に基づき運用する。
附則
この要綱は、平成22年4月1日から施行する。
附則(平成23年告示第68―2号)
この要綱は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成25年告示第100号)
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(平成28年告示第87号)
(施行期日)
1 この要綱は、平成28年5月1日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の朝倉市市民活動保険の補償基準、事務手続等に関する要綱の規定は、平成28年5月1日午後4時以後に生じた補償の対象について適用し、同時前に生じた補償の対象については、なお従前の例による。
附則(平成31年告示第120―10号)
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(令和5年告示第33号)
(施行期日)
1 この要綱は、令和5年6月1日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の朝倉市市民活動保険の補償基準、事務手続等に関する要綱の規定は、令和5年6月1日午後4時以後に生じた補償の対象について適用し、同時前に生じた補償の対象については、なお従前の例による。
附則(令和5年告示第153号)
この要綱は、公布の日から施行する。
別表第1(第2条関係)
市民活動の具体例
社会教育活動 | スポーツ・レクリエーション活動(ソフトボール・バドミントン・卓球・テニス・水泳・バレーボール・サイクリング・キックベースボール・野球・ボーリング・オリエンテーリング・ハイキング・サッカー・駅伝大会・歩こう会・ラジオ体操・ゲートボール・マラソン大会・キャンプ・たこあげ大会・身障者スポーツ大会・健康体操・子ども相撲・スケート)、文化活動(料理・コーラス・コンサート・映画上映・絵画・華道・茶道・吟剣詩舞道・民謡おどり・ダンス・短歌・俳句・盆栽・邦楽・謡曲・演劇・歴史学習・各種学習・講座・社会見学・講演会・講習会・研修会・研究会)等の活動及びこれらのための準備活動 |
社会福祉・社会奉仕活動 | 社会福祉施設援護活動(託児・カウンセリング・点訳・リーディングサービス・手話)、手話通訳、就労・社会復帰のための援護等の活動及びこれらのための準備活動 |
青少年健全育成活動 | 子ども会、地域の青年会等の指導育成活動、家庭・地域文庫活動、非行防止パトロール等の活動及びこれらのための準備活動 |
地域社会活動 | 地域コミュニティ活動、地域ボランティア活動、防犯活動、防火・防災活動、清掃活動(道路・河川・公園・排水溝・その他公共施設の清掃)、資源ごみの回収、草刈り、リサイクル運動、交通安全運動、不法駐車駐輪追放運動、害虫防除・駆除の環境衛生活動、献血奨励・住民検診手伝いなどの地域保健衛生活動、盆踊、町内会まつり、運動会、回覧、掲示板貼り付け、研修会、募金活動、市民まつり、PTA活動等及びこれらのための準備活動 |
市主催事業等への参加、手伝い | ノーポイ運動、防災訓練、市主催の社会教育講座、講演会、映画会等 |
その他 | 上記に類する事業又は活動 |
別表第2(第6条関係)
賠償責任補償保険
保険金の種類 | 支払限度額 |
身体賠償補償 | 1人当たり限度額 1億円 1事故当たり限度額 3億円 |
財物賠償補償 | 1事故当たり限度額 2,000万円 |
受託物賠償補償 | 1事故当たり限度額 100万円 |
別表第3(第3条、第7条、第9条関係)
傷害補償保険
保険金の種類 (1人当たり) | 支給事由 | 保険金額 |
死亡補償 | 傷害補償対象者が、傷害事故の発生した日から起算して180日以内に死亡した場合 | 1,000万円 |
後遺障害補償 | 傷害補償対象者が、傷害事故を直接の原因として当該傷害事故の発生した日から起算して180日以内に傷害保険普通保険約款に掲げる後遺障害を生じた場合(その期間内に当該後遺障害を生ずることが確定しなかった場合は、181日目における医師の診断により将来当該後遺障害の生ずべきことが推定された場合) | 後遺障害の程度により、死亡補償保険金の3~100% |
入院補償 (手術補償) | 傷害補償対象者が、傷害事故を直接の原因として生活機能又は業務機能に支障をきたしたため、当該傷害事故の発生した日から起算して180日以内の間に入院による治療を受けた場合(手術補償については、当該事故による入院中に、手術を受けたとき。ただし、1事故につき1回に限る。) | 入院補償 1日 5,000円 手術補償 入院補償日額の10倍~40倍 |
通院補償 | 傷害補償対象者が、傷害事故を直接の原因として生活機能又は業務機能に支障をきたしたため通院による治療を受けた場合。ただし、当該傷害事故の発生した日から起算して180日以内の間に限るものとし、対象となる通院日数は90日を限度とする。 | 1日 3,000円 |