糖尿病について 

 今回は糖尿病のお話です。糖尿病は血糖を下げようとするインシュリンの分泌や機能の低下に、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、ストレス、年齢を重ねることなどにより血糖が高くなる病気です。1977年に厚生省、2007年に厚生労働省が行った調査では「糖尿病が強く疑われる人」は約690万人から約890万人に、「糖尿病の可能性を否定できない人」は約680万人から約1320万人へ、両者の合計が約1370万人から約2210万人に増加しているといわれ、5~6人に1人が糖尿病の可能性があると考えており、今後さらに増えていくと考えられています。検診の糖尿病の検査項目は、空腹時血糖と過去1~2ヶ月の血糖の状態をみるヘモグロビンA1cです。精密検査には75g糖負荷試験があります。
これは、75gの糖を含んだ飲み物を飲んで、2時間の検査の中で75gの糖分を飲む前、飲んで30分後、1時間後、2時間後に採血し、血糖値により「糖尿病型」「境界型糖尿病」「正常型」に分類されます。
 では、なぜ糖尿病が怖い病気であるかというと、糖尿病が合併症を引き起こすからなのです。合併症には、目の網膜の細胞が障害されて視力が低下し、最悪の場合には失明してしまう「糖尿病性網膜症」、手足のしびれなどの症状が出る「糖尿病性神経症」、腎臓の働きが低下し、最終的には人工透析が必要となる「糖尿病性腎症」の3つがあり、合併症の存在は以外にも良く知られているように思いますが、脳卒中や狭心症・心筋梗塞の原因になっていることはあまり知られていないようです。血糖値が200mg/dl以上ともなれば、口の渇きや体重の減少や多飲・多尿などの症状が出てくる方がいますが、体重減少が糖尿病の改善の徴候と考えたりして放置されている方もおられます。見た感じは何も変化ないようにみえますが、血糖の高い状態が続くと目には見えないレベル、たとえば目の血管が常に痛めつけられているのです。糖尿病という病気のイメージが悪く、食事やアルコール制限が必要ということから、自分の現在の状態を受け入れない方が多く、結果として放置されているのだと考えられます。
 次に、糖尿病の治療についてですが、食べることを考える食事療法、散歩など身体を動かす運動療法、それでも血糖値の改善が見られない場合に初めて薬を飲む薬物療法があります。血糖値が異常に高い時には、その日から薬物療法を開始してもらうことがあります。血糖値が異常に高い時には、その日から薬物療法を開始してもらうことがありますが、食事療法や運動療法で血糖値の改善の可能性があると判断すれば、すぐに薬を出されることはありません。おそらく、糖尿病と診断されても薬を出されていないからたいしたことは無いと誤った判断をして放置されるのだろうと考えます。医者によっても、糖尿病への対応は様々なようで薬を飲む必要がなければ血液検査をせず経過をみていない場合もあるようで、患者さんも症状も放置されている方も見られます。定期的な検査の必要性を説明しても説明不足のためか、なかなか理解してもらえないようです。
 私が誕生月検診を担当するようになって約20年になりますが、前の年の血糖値が120~130mg/dlと軽度上昇であった方が、放置のまま1年後の検診で180~250mg/dlと異常高値になり、すぐに薬を開始しなければならない方を数多く見てきた経験から、また、そのような方の中から脳卒中や狭心症・心筋梗塞を多く発症された苦い経験から、たとえ症状が無くても、血糖値がそれほど高くなくても、1~2ヶ月に1回の検査をお勧めしています。
 糖尿病は、血液検査を受けてみなければその状態はなかなかわかりません。
残念ながら糖尿病は治りません。血糖値やヘモグロビンA1cの結果が悪くならないようにして、コントロールがよい状態にはできます。コントロールがよいかどうかを判断するためには、血液検査が必要なのです。コントロールを保つためにはなんといっても食べることの改善です。これが実際にはかなり難しいことですが、今日からでも出来ることは、たくさん噛むこと、早食いにならない、果物を含むおやつは極力控える、腹八分にしてみることなどです。糖尿病は振り払うことはできません。それなら、自分から糖尿病に興味を持って食べることを改善し、その結果がどうなっているのかを判断するために1~2ヶ月毎に血液検査を受けて下さい。直ぐには成果は出ないかもしれませんが、特に食事の改善や散歩を続けることが出来れば、数年先にはかなりの差が出てくると思いますので、糖尿病のことを受け止めて向き合ってみてください。

 

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