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市長施政方針(平成23年第1回朝倉市議会定例会)

登録日:2015年03月31日

 本議会は、市政運営の基本となる平成二十三年度当初予算をはじめ、多くの重要な案件についてご審議をお願いするものであります。したがいまして、その冒頭で私の平成二十三年度における市政運営に対する所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 私は、昨年四月、多くの市民の皆様の御支援をいただき、おかげをもちまして、第二代朝倉市長として、市政を担当させていただくことになりました。平成二十三年度当初予算は、市長就任後、本格的に編成する最初の予算となります。皆様にお約束いたしました「親と子と孫が一緒に暮らす朝倉市」をめざして、課題解決を図る出発点となるものです。私に寄せられた期待と責任の重さを肝に銘じ、市民に信頼される市政の推進に努めて参ります。
世界を見てみますと、中国、インド、ブラジルなど新興国の台頭は目覚しく、経済は、ゆるやかな回復基調にあります。しかしながら、急増する人口を抱える北アフリカ、中東諸国の雇用不安、エジプトにおける反政府デモに見られる混迷、ギリシャに始まった通貨危機から未だ脱することができないヨーロッパ諸国と、国際情勢は楽観視できないものとなっています。
 わが国の経済は、「リーマンショック後の経済危機を克服し、外需や政策の需要創出・雇用下支え効果により持ち直してきた。しかしながら、急速な円高の進行や海外経済の減速懸念により、夏以降、先行きの不透明感が強まり、また、雇用も依然厳しい状況になっている。」と言われています。また、鳥インフルエンザの発生、新燃岳の噴火等、安全・安心を脅かす事態が間近で起こっています。
 このような中、政府は、歳出規模としては過去最大となる平成二十三年度予算編成を行いました。しかしながら、二十年以上低迷してきた経済は、本格的な回復の軌道に乗っておらず、慢性的なデフレ構造が続いています。このような状況を打破するためには積極的な財政出動が必要ですが、その一方で、深刻な財政状況の下、国債発行を抑え、財政再建を図っていくことのために制約を受けた予算の編成となっています。
 地方交付税は四千七百九十九億円増額されており、一方で、臨時財政対策債が一兆五千四百七十六億円減額されています。地方公共団体の財源確保を図りつつ財政を健全化するという方向性を示したものととらえ、平成二十四年度以降の市町村に対する一括交付金の確保等を含め、地方公共団体に対する確実な財政措置を期待します。
 次に朝倉市の財政状況についてでありますが、平成二十一年度の普通会計の決算状況は、実質単年度収支において七億二千万円の黒字となっているものの、その要因は、合併による地方交付税の優遇措置、国の経済対策による臨時的歳入等によるものです。事務事業の見直しや人件費の削減等の行財政改革を進め歳出の削減を図るとともに、税を中心とした財政収入の確保を図り、今後ともさらに効率的な行財政運営を進めることが必要です。
今回の予算編成においては、「親と子と孫が一緒に暮らす朝倉市」を実現するために、六つの柱からなる重点施策を掲げ、朝倉市の発展と市民福祉向上のため、市政の積極的な推進を図ることとしています。
重点施策の体系に従い、歳出予算の主な内容についてご説明申し上げます。
重点施策の第一は、「働く場のある朝倉づくり」であります。
雇用は、市民の生活にとって最も重要な基礎であります。私は、平成二十三年度を、雇用・景気対策を進め「親と子と孫が一緒に暮らす朝倉市」を形作っていく本格始動の年にしたいと考えています。
この春卒業する県内の高校生及び大学生の就職内定率は、全国平均を大きく下回っており、雇用情勢は依然として厳しい状況が続いております。四月からは、就職が決まらない卒業者を市役所内で半年間雇用し、働きながら就職活動を行えるよう緊急の雇用対策を実施することとしております。
懸命の努力で雇用を担う市内の中小企業に対してましては、朝倉市中小企業者等事業資金の融資枠を拡大するとともに、中小企業信用保険法に基づく市の認定を受けた事業者が、経営状況の支障の要因により県の緊急経済対策資金等を利用する場合については、信用保証料の補給を併せて行います。
さらに、雇用の受け皿となる企業の誘致と、六次産業化を含めた産業の創出を進めるための体制を強化します。
商店街・商工会議所などが行うプレミアム付き地域振興券の発行に対する助成につきましては、引き続き実施し、消費の喚起と地域経済の活性化を図って参ります。
農林業につきましては、価格の低迷、担い手の高齢化、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に見られる関税撤廃の動き等、取り巻く状況は厳しいものとなっています。経営所得の安定及び集落機能の維持を図るため、特産品の開発支援、後継者の育成・確保、耕作放棄地対策、林業機械導入に対する助成等に取り組み、希望の持てる農林業づくりを進めます。
 観光につきましては、新秋月郷土館及び地域の宝である山田堰の展望所建設を進め、観光資源の整備を図って参ります。
また、恵蘇八幡宮の御祭神である天智天皇が朝倉の地で詠んだとされる歌が百人一首の筆頭句として収められていることから、市内すべての小・中学校に五色百人一首を配置し、地域の歴史に対する子どもたちの理解を促進するとともに、地域の活性化を図って参ります。
 重点施策の第二の柱は、「子育て・長生きが楽しい朝倉づくり」であります。
 将来の朝倉市を担っていく子どもたちが健やかに安心して生まれ育つ環境づくり、そしてだれでもが豊かな生活を送れるための生涯学習施設の充実、高齢になっても安心して暮らせる仕組みづくりを進めて参ります。
その一つが子どもの医療費です。
 平成二十二年度に小学校就学前の子どもの医療費を無料としましたが、さらに制度を拡大し、小学校六年生までの入院費を助成します。小学生以下の子どもに対するインフルエンザ予防接種無料化の制度は、一部負担をお願いして中学生まで対象を広げます。
 また、平成二十二年度に引き続き、妊婦検診及び子宮頸がん等ワクチン接種の公費負担を行います。
次に、教育施設、社会教育施設の充実です。
小中学校の大規模改修及び耐震化を計画的に推進し、大ホール、生涯学習センター、B&G海洋センター等の社会教育施設の改修を図り、教育及び文化・体育施設の充実を図ります。
 高齢者につきましては、行政と市民、事業所などが連携して見守るための「見守りネットワーク体制」を構築し、安心して暮らすことができる社会づくりを進めて参ります。
重点施策の第三の柱は、「次代へつなぐ協働の朝倉づくり」であります。
コミュニティ活動は、行政の末端の活動、行政の機能の肩代わりでなく、自立した自主運営型のコミュニティ活動を行うもので、地域と行政が対等なパートナーシップを持ちながら住みよいまちづくりを目指します。
地域コミュニティへの活動支援、有線放送の整備等、地域の皆様と一緒になって取り組み、ふるさと朝倉市を心豊かにいきいきと暮らせるまちとして参ります。
また、男女が対等な立場と自らの意思で社会のあらゆる分野に参加し、均等にその利益を享受し、かつ、共に責任を担う社会づくりを推進するため、平成二十四年度から五カ年の「男女共同参画推進計画」を策定いたします。
 重点施策の第四の柱は、「安全・安心で快適に暮らせる朝倉づくり」であります。
 市民が安心して安全に暮らし、快適な生活を営むための基盤整備は、朝倉市が朝倉圏域の中心都市として発展し、人口の減少に歯止めをかけるためにも重要な課題であります。
公民館・体育館の耐震診断、基幹道路・生活道路の整備、下水道等の基盤整備、市営松ノ木団地の建替え等を行い、災害に強いまちづくりを進め、快適にいきいきと生活できる基盤づくりを図って参ります。
また、平成二十二年度に完了します防災行政無線の追加工事で、屋外拡声器の到達範囲が拡充され、平成二十三年度から運用開始されることにより、災害時の情報が得られやすくなり、市民の生命と財産を守ることに大きく役立ちます。
中心市街地整備につきましては、現在取り組んでおります「新プラン 21計画」により事業を展開し、空洞化に歯止めをかけ都市機能の充実を図って参ります。
 重点施策の第五の柱は、「環境にやさしい朝倉づくり」であります。
 地球温暖化問題、エネルギー・資源の枯渇問題などが顕在化している現在においては、成長と両立する低炭素社会及び循環型社会の構築が求められています。朝倉市におきましては、住宅用太陽光発電機器の設置に対する補助、公用車へのエコメーター設置、環境家計簿の普及促進などを行い、新エネルギーの普及及び二酸化炭素排出量の削減を図って参ります。
朝倉市の面積の半分以上は、山林で占められています。山林は、経済的な資源であるとともに国土保全や水源かん養、水害防止などの多面的な機能を持っていますが、高齢化・過疎化により林業の担い手が減少し、荒廃が目立っています。県税であります「森林環境税」を活用した荒廃森林再生事業を引き続き取り組み、併せて間伐・造林・下刈り等の補助を行います。
小石原川ダム建設事業及び筑後川水系ダム群連携事業につきましては、関係地方公共団体からなる検証の場が設置されました。一日も早く事業が進捗するよう地元の意見をしっかりと発信して参ります。
 重点施策の第六の柱は、「地方分権時代に対応した新しい朝倉づくり」であります。
 市民が利用しやすい市役所づくりを進めるため、ワンストップサービスの構築に早急に取り掛かって参ります。また、杷木、朝倉の両庁舎の空スペースを活用した高校生による政策提言発表会を行い、市民の皆様と一緒に朝倉市の未来を考えて参ります。
 平成二十三年度の当初予算は、平成二十二年度に引き続き財源補てんのための基金繰入に頼ることなく編成することができました。先ほども申し上げましたが、平成二十一年度の決算も黒字であり、収支だけを見れば良好な財政状況であります。しかしながら、平成二十八年度から普通交付税の優遇措置が順次減少していくことを想定し、一層引き締めた財政運営が求められています。現在進めています「第二期朝倉市行政経営改革プラン」に基づき、事務事業の効率化、財政基盤の確立、組織・定員の適正化等を推進して参ります。

 以上、平成二十三年度の施政方針について申し上げましたが、私は、積極果敢に、率先して行政課題に挑戦し、市民の皆様、そしてその代表である市議会議員の皆様と共に、ふるさと「朝倉市」の未来を切り開いていく決意であります。議員各位には、重ねてご理解とご協力をお願いして、施政方針といたします。

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