糖尿病の合併症について

糖尿病の患者数は予備軍を含めると2000万人を超すといわれています。糖尿病は高血糖の状態が長く続かない限りは、口の渇きなどの自覚症状がなく、結果として放置をしたり、糖尿病であることに気づかずに生活している方も多いようです。高血糖が長く続くと全身の血管が傷つき、その結果として合併症を引き起こしやすくなりなす。腎臓や目に合併症が出やすいことは比較的多くの方がご存知ですが、神経にも障害が出ることはあまり知られていないようです。

まずは糖尿病性神経障害についてですが、これは全身にはりめぐらされている末梢神経が高血糖により変性したり脱落したり、また栄養や酸素不足により起こると言われています。三大合併症といわれる糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害の中でも神経障害が最も早い段階から(早い方では糖尿病と診断されて5年くらい)出るといわれています。症状は足の裏や足の指のしびれや痛みなどですが、これらの症状は糖尿病に限らず他の病気でも起こります。糖尿病によるものと診断はつけにくいのですが、手より足の方に左右対称に症状がでやすいようです。

また、心臓や胃腸など色々な臓器の働きの動きを調節している自律神経が

障害されると、心臓であれば胸の痛みを感じにくくなり、心筋梗塞の発症に気がつくのが遅れて、手遅れになることもありますし、胃腸であれば便秘や下痢に悩まされることにもなりかねません。

また、日頃より足の傷や火傷・水虫・靴ずれに注意が必要です。高血糖が続くと小さな傷でも感染を起こしやすく、足の血管の動脈硬化を合併していることから、さらに感染が進行し、最悪の場合は脚や足の指の切断にもつながるかもしれません。足のけがや爪の切り方には特に注意して下さい。

 

次は糖尿病性腎症です。最悪の場合は人工透析を一生続けるころになりかねません。腎症の診断は尿蛋白の有無、血液検査でクレアチニンを検査し判断します。尿蛋白が陽性であれば腎症の可能性が高くなります。尿蛋白が陰性でも、尿中アルブミンを検査することで早期の腎症があるかどうかわかります。

なお、クレアチニンの数値・年齢・性別などからeGFR(推定糸球体濾過量)を算出して腎機能障害者を早く見つけようとする試みが検診に導入されています。糖尿病を良い状態に保つことと塩分を控えることで糖尿病性腎症の予防に努めて下さい。

 

もう一つは糖尿病性網膜症ですが、これも高血糖が長い期間続くことで網膜の血管が障害されます。毎年30004000人が著しい視力低下や失明に至っているようです。視力が落ちていない、目はよく見えるから大丈夫と考えている方が多いようですが、視力がよいことと糖尿病性網膜症の有無は必ずしも一致しませんので、糖尿病の方は定期的に眼科を受診下さい。

 

最後にもう一つ重大な合併症があります。

今までの三大合併症はそれぞれの臓器の細い血管の障害でしたが、太い血管が障害されると動脈硬化が進むことにより、脳梗塞や狭心症・心筋梗塞などになりやすくなります。これらの病気は、糖尿病だけが原因で起こるわけではなく、高血圧・脂質異常症なども原因になります。脳梗塞は、糖尿病の方は糖尿病でない方と比べると2~4倍発症しやすいという統計があります。また、狭心症・心筋梗塞は4倍といわれています。高血圧や脂質異常症があると約32倍まで上昇します。美味しい食べ物やビールなど、ついつい多く摂りがちですが、日頃の食生活を乱すことのないよう、気をつけながら過ごして下さい。                      

 

医師 水流 浩志

 

 

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