子どもに関わるすべての方々へ
「感染症対策下における子どもの安心・安全を高めるために」
新型コロナウイルス感染症対策として、感染拡大のスピードを抑制するため、さまざまな取組が行われています。その中で、学校の休校、イベント中止やいろいろな情報が流れるなど、子どもや子どもの身近にいる大人の生活にも大きな影響が出てきています。
子どもたちの中には、自分や家族も病気になるのではないかと不安を抱き、いつもと異なる反応や行動がみられることがあるかもしれません。これらの反応・行動は一般的なことであることを知っておくことが大切です。
〇腹痛や頭痛、不眠、食欲不振などの身体的症状を示す
〇いつもより泣いたり、大人にしがみついて離れない
〇急に幼い言動をしたり、夜尿、お漏らし、わがままになるなど、いわゆる赤ちゃんがえり
〇遊びの中で起きている出来事を再現する
子どもや親、養育者の不安を軽減する:正しい情報を伝えること
感染症の流行や自然災害など大きな出来事が起こった際には、その出来事に関するいろいろな情報やうわさが広がり、そのことによって、どの情報が正しいのかの判断が難しくなることがあります。子どもはよりその影響を受けやすいといえます。子どもが心身ともに良い状態で過ごすために、ぜひ皆さんに気をつけていただきたいことがあります。
子どもが出来事に関連したテレビのニュースや映像を繰り返し見ることがないようにしてください。子どもは認知的にも情緒的にも発達途中段階であるため、映像の中の出来事を現在の状況ととらえたり、より不安や恐怖を増強することがあります。
また、年齢が高くなるにつれ、スマートフォンやインターネットを通して、子どもが自分で情報を得られるため、うわさやデマの被害に遭うリスクが高くなります。子どもに対しては、個々の発達や理解に合わせた情報の提供や、正しい情報の取り方について話し合うなど、家族や身近にいる大人のサポートが必要です。情報が、いつ、どこ(誰)から発信されたものかについて、注意を払うようにしてください。
不安やストレスを抱えた子どもや家族へのコミュニケーション
不安や恐れなど心理的ストレスを抱えている子どもや家族と関わる時には、以下を参考にしてください。
〇ニーズや心配事を確認する
〇支援が必要と思われる子どもに注意を向ける
〇安心して落ち着けるよう手助けする
〇自ら話すことを聞く
〇基本的ニーズ(衣・食・住) を満たし、可能な限り日課や習慣を保つ
〇規則正しい生活を保つ
〇室内でも、ストレッチやラジオ体操をするなど少しでも体を動かす工夫を生活の中に取り入れる
〇信頼できる情報を得られるように手助けをする
〇公共サービス、社会的支援につなぐ
〇自分の力で自分を守れるよう支援する
(手洗い、咳エチケット、適度な運動など)
もし、地域に新型コロナウイルスに感染し、快復した後に学校へ登校する子どもがいる際には、学校と連携し、差別が生じないよう、クラスの子どもたちには事前に病気について分かりやすい言葉で伝えておくことも大切です。
また、子どもの中には、依然として強いストレスを抱えていたり、日常生活に支障をきたしているなど、自分だけでは上手く対処できず、さらなる支援を必要とする子どももいます。その際には、精神保健医療の専門家につなげる必要があります。
すぐに専門家につなぐのが難しい場合は、教員、スクールカウンセラー、保健師など、地域の人たちから更なるサポートが受けられるようにつなぐことが重要です。
(出典)
一般社団法人 日本臨床心理士会災害支援プロジェクトチーム
一般社団法人 日本公認心理士協会災害支援委員会
公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
*その他、参考になる情報についてはこちらをご覧ください。
http://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=28
公益社団法人 日本小児科学会HP
http://www.ncchd.go.jp/news/2020/20200410.html
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター