熱中症は、気温や湿度が高い環境に長くいることで、徐々に体の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調整がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
屋外だけでなく屋内でなにもしていないときでも発症し、場合によっては死に至ることもあります。高齢者や体温調節機能が発達していない子供、下痢や発熱があり体調不良の方も要注意です。また、高血圧や糖尿病、認知症など持病がある方や過去に熱中症にかかったことがある方は再び起こしやすい傾向にあるので、特に注意が必要です。
体調の変化に気を付けるとともに、周囲にも気を配り、熱中症による健康被害を防ぎましょう。
熱中症の症状はめまい、立ちくらみ、手足のしびれ、足がつる、気分が悪い、頭痛、吐き気、いつもと様子が違うなどがあります。重症になると、返事がおかしい、意識を失う、けいれん、体が熱いなどの症状が現れます。
熱中症への対策ですが、テレビやスマホで天気予報の気温や湿度をチェックし、気温上昇が予想される時はできるだけ無理な運動や過酷な労働は避けることです。
また、暑い時は自分が考えている以上に体内の水分が失われています。室内でも、屋外でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分・塩分を補給しましょう。なお、スポーツドリンクは飲みすぎると、糖分の摂りすぎになるため注意が必要です。最近は、経口補水液が販売されており糖尿病など持病がある方にお奨めしています。
最後に、熱中症の症状のある方に気づいたら日蔭で風通しのよい場所や冷房の効いた場所に移動させ、衣服をゆるめてください。その後はタオルなどで体をぬらし、風を送って下さい。冷えたペットボトルなどで首の回り、脇の下、足の付け根などを冷やすことも効果的です。
それでも、めまい・立ちくらみ・筋肉のけいれんなどがあれば、病院で点滴を受ける必要があります。なお、自分で水分摂取できない、意識がない場合は救急車を呼んでください。
梅雨が明けた直後は特に熱中症になる方が多い傾向にあります。
散歩やランニングなど他者と離れて行う運動や、屋外で農作業を行う場合はマスクをはずし、熱中症を予防していきましょう。