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市長施政方針(令和5年第1回朝倉市議会定例会)

登録日:2024年01月05日

 

 本日ここに、令和5年第1回朝倉市議会定例会を招集いたしましたところ、皆様方にはご多忙な中にお繰り合わせご出席を賜り、厚くお礼申し上げます。

本議会は、市政運営の基本となる令和5年度の当初予算をはじめ、多くの重要な案件について、ご審議をお願いするものであります。したがいまして、その冒頭で私の令和5年度における市政運営に対する所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。私は、これまで「ふるさと朝倉を取り戻す」の理念の下、復旧・復興に全力で取り組んでまいりました。朝倉市復興計画では、令和6年度からを被災地が新たな魅力と活力ある地域として生まれ変わり発展していく「発展期」と位置付けております。令和5年度は、「発展期」へ向けて動き出す大切な1年であり、創意工夫を凝らし朝倉市を活性化していきたいと考えております。世界の情勢を見てみますと、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって1年が経過いたしましたが、未だ世界を震撼させ続け、国際秩序の不安定化を招いております。また、欧米各国の金融引締めによる世界的な景気後退の影響などについても不透明さが増しております。国内におきましては、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけについて、季節性インフルエンザと同等の5類へ引き下げる方針が決定され、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、経済の緩やかな持ち直しが続いております。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした国際的な原材料価格の上昇や、円安の影響等によるエネルギー、食品等の価格高騰など、我が国の経済を取り巻く環境は、厳しさが増しております。こうした中、足元の物価高を克服しつつ、日本経済を民需主導で持続可能な成長軌道に乗せていく必要があります。政府は、令和5年度予算案について、過去最大の防衛費予算による防衛力の抜本強化、子ども家庭庁を創設した上での子ども施策の推進、デジタルの力で地方の個性を生かしながら社会課題の解決と魅力の向上を図るデジタル田園都市国家構想、2050年カーボンニュートラル目標達成に向けたGX(グリーン・トランスフォーメーション)の推進等の重要課題に対応するとしております。一般会計予算は、過去最大の114兆3,800億円とし、「歴史の転換期を前に、我が国が直面する内外の重要課題に対して道筋をつけ、未来を切り拓くための予算」とされております。一方で、税収は過去最大の69兆4,400億円を確保するものの、国債の発行額は前年度より減額ではありながらも依然として財源の3割以上を国債に頼る構造は変わらず、厳しい財政状況は続いております。防衛費の財源の議論、異次元の少子化対策など、今後の状況を注視していく必要があると思われます。

現在、市では「第2期朝倉市総合戦略」に基づき地方創生に取り組んでいるところでありますが、これまで以上に成果を上げ、市民の皆様に効果を実感していただけるよう、全庁横断的な取組や複数年での事業展開など新たな視点を持った新規事業を構築する「地方創生予算枠」を創設いたします。そのために、ふるさと納税を原資とする地域振興基金の中から、今後3年間で3億円の予算を確保いたします。また、政策決定に至るまでの新たなプロセスとして、事業を発案した職員に直接私や幹部職員へプレゼンテーションを行わせ、採択を決定することとしており、職員の政策形成能力や士気の向上につなげていきたいと考えております。この中から、移住定住の拠点となる「移住定住交流センター」を新設する事業や、国道322号の道路事業にあわせて交通の結節点となる甘木駅周辺整備の基本構想を策定する事業などを採択し、予算を計上しております。新庁舎の建設につきましては、昨年から事業を再開いたしました。今定例会に上程しておりますように、新庁舎の位置を定める条例改正を行うとともに、令和7年度中の完成・開庁に向けた関連予算を計上し、進めてまいります。

さて、令和5年度予算をはじめとする市政運営の基本的な考え方につきましては、今議会で議決を賜りたい第3次朝倉市総合計画に基づいて説明申し上げます。計画では、「人、自然、歴史が織りなす 水ひかる 朝倉」を将来像とし、その実現のため、分野別の施策を6つの基本目標として掲げております。また、基本目標の下に23の施策及び112の基本事業を設定いたしました。その中から、選択と集中による資源の有効活用を行うため、23の基本事業を政策的な「重点分野」として設定し、人口減少の抑制や関係人口の増加に資する基本事業のうち27の基本事業を「地方創生分野」として設定いたしました。施策の枠組みを越え、連携を図りながら、全庁を挙げて横断的に取り組んでまいります。

次に、6つの基本目標とその目標ごとの令和5年度の主な取組について説明申し上げます。まず、一つ目の基本目標「災害に強く、快適に暮らせる安全・安心なまちづくり」についてです。平成29年7月九州北部豪雨災害から5年7か月が経過いたしました。この間、災害復旧事業は、国、県をはじめとする関係各位のご尽力により、着実に前へ進んでまいりました。令和5年度当初予算案では、災害関連経費として約61億4,800万円を計上しており、1日も早い事業の完成を目指してまいります。被災地の復興については、朝倉市復興実施計画に基づき、防災拠点施設、災害伝承広場等を整備するとともに、すまいの再建のための宅地分譲、堆積土砂を活用した宅地嵩上げ等を進めてまいります。また、災害時における避難情報等をより確実に伝達できるよう、防災行政無線の放送を屋内で聴取可能な個別受信機の配備を進めてまいります。5月に朝倉市で開催される福岡県総合防災訓練では、ダムの緊急放流を想定に入れた朝倉市ならではの訓練を行い、地域防災力を高めてまいります。さらに、防災講演会や自主防災組織のリーダー研修会、消防資機材の更新等に取り組むことにより、災害に強い、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

次に、二つ目の基本目標「子どもから高齢者まで、健やかに笑顔があふれるまちづくり」についてです。結婚・出産・子育て支援の充実については、昨年から旧市町村会館に場所を移した「あさくら出会いサポートセンターJUNOALL」での縁結び事業を継続し、会員増や成婚につながるよう進めてまいります。このほか、子育て支援の拠点であるつどいの広場を改修し、これまで週4日だった開館日を令和5年度から週5日とし、月に2日は土曜日又は日曜日にも開館し、子育て支援を充実してまいります。また、私立保育園及び認定こども園の送迎用バスの置き去り防止装置や登園管理システムの導入を支援するとともに、公立保育所の保育計画作成等の保育業務支援、登園管理及び保護者との連絡が円滑に行えるシステムを導入して、ICT化に取り組んでまいります。健康づくりの推進としては、定期的な健診、体力づくり支援、介護予防等に取り組んでまいります。このほか、健診を受けやすい環境を整備して予防医療の充実を図るとともに、医療、保健、福祉の連携を図った相談体制の充実を目指し、朝倉診療所の施設整備を進めてまいります。また、介護人材を確保するため、介護の入門的な資格の受講料補助や市内の介護事業所に新規に採用され市外から転入する人の家賃補助等を行ってまいります。このほか、50歳以上を対象とした帯状疱疹ワクチン接種費用の一部助成に取り組んでまいります。

次に、三つ目の基本目標「次世代につなぐ環境にやさしいまちづくり」についてです。昨年1月に行いました「朝倉市ゼロカーボンシティ宣言」に基づき、現在、市全体を対象区域とした朝倉市地球温暖化対策実行計画を作成しております。具体的な取組としては、令和4年度から再開した住宅用太陽光発電システム設置補助金をゼロカーボン推進補助金に改め、電気自動車購入など補助対象メニューを拡充してまいります。また、地域コミュニティ施設や学校施設等のLED設備の整備に取り組むとともに、公用車の電気自動車購入を計画的に進め、GX(グリーン・トランスフォーメーション)の取組を進めてまいります。

次に、四つ目の基本目標「活力ある産業と魅力的な観光資源があるまちづくり」についてです。老朽化した農業用施設の改修など農業基盤の整備を図るとともに、水田農業、園芸農業及び畜産のための施設・機械整備に対する補助や、豪雨災害で被災した農家の営農再開に向けての区画整理事業等を進めてまいります。また、有機農業の取組面積を拡大し、農業の環境負荷を低減するため、有機農業を志す就農者に対し、市内のスクールで学ぶための受講料の一部を支援いたします。このほか、森林環境譲与税や県の森林環境税の活用により、長期間放置され公益的機能の低下した荒廃森林の整備、豪雨災害により林内に堆積した倒木等の撤去、森林施業のための林業用作業道の整備に対する補助金による支援、公共施設への木材利用の推進等を行い、林業の活性化を図ってまいります。中小企業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻、円安に伴う物価高騰等の影響により厳しい経営状況が続いておりますが、金融支援や新規創業支援を継続して実施するほか、消費を喚起し市内商工業者を支援するためプレミアム付商品券を発行いたします。観光振興としましては、山田堰への修学旅行誘致及び首都圏でのPR活動を継続して実施するとともに、新たに令和5年度から令和6年度にかけて秋月藩成立400年を記念したイベント等を実施いたします。また、テレビ、雑誌等を活用して、春や秋の観光シーズン以外の観光客増加を図る観光プロモーション事業にも取り組んでまいります。このほか、水の回廊構想の具体化の一つとして「水の文化村水辺のふれあいゾーン」をキャンプ場として活用いたします。

次に、五つ目の基本目標「生きる力を育み、生涯成長できるまちづくり」についてです。児童・生徒が確かな学力、豊かな人間性及び健康・体力をバランスよく身につけながら、学校で楽しく充実して学べる環境づくりに努めます。その一つとして、小中学校のトイレの洋式化を進めてまいります。立石小学校については、児童数の増に伴う教室不足を解消するため、校舎の増築改修工事を行います。ICT教育の推進については、引き続き教職員等に対し、タブレットの活用支援を行うとともに、児童生徒が自宅でも活用できるように通信環境の確保に努めてまいります。コロナ禍も相まって不登校児童生徒が増加している状況に鑑み、不登校復帰支援員を増員するとともに、支援を要する児童生徒が安心安全に学校生活を送れるよう特別支援教育支援員を増員いたします。また、物価高騰に伴う保護者の負担軽減のための小中学校の給食費補助を行ってまいります。このほか、郷土愛の醸成を図るため、朝倉市の歴史、文化等に関する副読本「わたしたちの朝倉」の更新作業を、令和5年度から令和6年度にかけて行います。市民が学ぶ機会が十分にあり、歴史的・文化的な活動、生涯学習活動及びスポーツ活動に積極的に参加できるよう、総合市民センター等の施設補修、B&G海洋センターの改修等を実施いたします。また、秋月藩成立400年を記念した事業として、秋月藩初代藩主黒田長興が父の長政から拝領したと伝わる兜を修復するとともに、展示用・イベント用の兜を製作いたします。

次に、六つ目の基本目標「誰もが尊重され支えあい、市民とともに創る持続可能なまちづくり」についてです。各地区のコミュニティ活動の拠点となる施設としては、三奈木コミュニティセンターが令和4年度に完成し、令和5年度には隣接地に防災広場を整備する予定であります。また、安川コミュニティセンターについて、令和7年度の完成を目指して建替えに着手いたします。自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進として、全庁的な取り組みを進めるためにDX推進計画を策定してまいります。また、行政文書のペーパーレス化や電子決裁の導入に取り組むとともに、利便性の高いサービスの提供として、マイナンバーカードを利用した住民票や印鑑証明書のコンビニエンスストア交付事業にも取り組んでまいります。

ここまで、基本目標と主な取組について申し上げてまいりましたが、このほかの取組としまして、全庁に関わる主要な行政課題を総合的に調整・推進する企画部門を強化するとともに、第3次総合計画の施策に対応した組織機構改革を行い、課題解決に積極的に取り組み、成果を出す組織を目指してまいります。また、ふるさと納税については、返礼品やウェブサイト数の拡充などに取り組んでいる中、おかげ様で順調な伸びを示しております。令和5年度の目標額を20億円とし、引き続き貴重な財源確保の一助となるよう積極的な取組を進めてまいります。

以上、令和5年度の施政方針について申し上げました。私は、2期目のスローガンを「市民と創る朝倉」といたしまして、全ての世代に夢・希望・笑顔あふれる誰もが住みたい朝倉市を実現することを、お約束いたしました。市民の皆様、そしてその代表である市議会議員の皆様の声に耳を傾け、適切に判断し、積極果敢に行動し成果を出す、このことに職員一丸となって全力で取り組んでまいります。議員各位には、重ねてご理解とご協力をお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

 

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