表示色
文字サイズ変更

ここから本文です。

胃の検査

登録日:2023年05月12日

胃の検査について説明します。

胃を詳しく調べる時に胃カメラとバリウムの検査があることはよく知られています。

しかし、どちらを受ければよいか、それとも両方を受けなければならないのか・・・分かりにくいですね。今回はこれら二つの検査の特徴をふまえて説明します。

 

胃カメラは、口や鼻から柔らかいチューブのようなカメラを挿入し、食道、胃、十二指腸の粘膜表面を明るい光源で照らしながら観察する検査です。カメラの先端を、粘膜ぎりぎりまで近づけて観察できますので、詳しい情報を得ることができます。特に、胃潰瘍や胃炎といった良性疾患だけでなく、早期の胃がんなどについても発見することが可能です。

また、「生検」と言う「がん」が疑われる部位の細胞を一部採取して、確定診断を得られることも大きな特徴です。近年では、早期に発見された胃がんにおいては胃カメラで器具を使い、おなかにキズをつけずに切除することも可能になってきました。

その一方で、カメラが入っていくときの違和感が苦手な方が多いことも事実です。検査前にのどに十分な麻酔をすることで、大部分の方はそれほど大きな負担がかかることなく検査が可能ですが、人によってはのどの反射が強く、カメラが通るときに非常に苦しい思いをすることが胃カメラの欠点ともいえるでしょう。なお、鼻から挿入する方法もあり、のどの反射はありません。

 

バリウムを使った上部消化管造影検査では、バリウムを口に含んで飲み込んだあと、検査台で体を上下左右に動かすことで、胃の観察をする検査です。この検査では、基本的に胃の表面についたバリウムの状態を観察することで、胃の粘膜の荒れや、潰瘍、胃がんなどによっておこる変化を見つけることができます。また、実際にバリウムが口から食道、食道から胃へと流れていく様子を見ることができる他、胃全体の形を観察することができるのが大きな特徴です。

 

両者を比較すると、胃カメラは粘膜の状態を詳しく見るのには有用で、確定診断や治療にも使えるという利点がある反面、検査に一定の苦痛を伴う場合があるという欠点があります。

バリウムの検査は、胃の形全体を観察することができ、検査に伴う苦痛が胃カメラより少ないという利点があります。しかしながら、粘膜面の観察や、確定診断・治療という点では、胃カメラに及びません。

また、健康上問題はほとんどありませんが放射線被曝があること、バリウムによる便秘の可能性があるという欠点もあります。

 

胃カメラもバリウムも検査の大きな目的は胃がんを早期の状態で発見することです。様々なタイプの胃がんを見つけるためには、粘膜に強い胃カメラと、動きや胃の形全体の観察に強いバリウムの検査を状態にあわせて組み合わせるのがよいでしょう。

つまり、はじめに検診でバリウムの検査を行い、異常があれば、胃カメラの検査を行うことをおすすめします。ただし、患者の状態にもよりますので、体力的にバリウムの検査が難しい場合や体質的にバリウムを飲むことが困難な方は、最初から胃カメラを受けられても良いでしょう。日常生活の中で胃に不快感や痛みがある場合は、検診を待たずに病院を受診し検査を受けましょう。

これら二つの検査の特徴を理解し、「最小の苦痛で最大の情報」獲得

このページを見た方はこんなページも見ています

    このページに関する
    お問い合わせ先

    保健福祉部 朝倉診療所
    お問い合わせフォーム

    このページに関するアンケート

    このページは見つけやすかったですか?
    このページの内容はわかりやすかったですか?
    このページは参考になりましたか?