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市長施政方針(令和6年第2回朝倉市議会定例会)

登録日:2024年03月28日

  市長施政方針(令和6年第2回朝倉市議会定例会)

 冒頭に、本年元日に発生した能登半島地震により亡くなられた方々に衷心より哀悼の意を捧げますとともに、被害に見舞われた方々、いまだ避難所での生活を強いられている方々にお見舞い申し上げます。そして、一日も早い復旧・復興となりますようご祈念申し上げます。まさに“吾在倶”、全国民が被災地に様々な想いを寄せております。平成29年7月九州北部豪雨を経験した朝倉市としても、できる限りの支援を行う所存であります。また、全職員に対し、今一度災害に対する危機管理を再認識するよう指示したところでございます。

 それでは、施政方針を述べさせていただきます。

 本日ここに、令和6年第2回朝倉市議会定例会を招集いたしましたところ、皆様方にはご多忙な中にお繰り合わせご出席を賜り、厚くお礼申し上げます。本議会は、市政運営の基本となる令和6年度の当初予算をはじめ、多くの重要な案件につきまして、ご審議をお願いするものであります。したがいまして、その冒頭で私の令和6年度における市政運営に対する所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。私は、これまで平成29年7月九州北部豪雨災害から「ふるさと朝倉を取り戻す」ため、全力で復旧・復興に取り組んでまいりました。残念ながら、令和5年7月にも大規模な災害が発生いたしましたが、現在、総力をあげ対応に当たっております。また、朝倉市復興計画において、令和6年度からは「発展期」として位置付けており、被災地が新たな魅力と活力ある地域として生まれ変わり発展していくことを実感していただけるようにしたいと考えております。世界情勢につきましては、2年を経過したロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫をはじめ、不動産投資の落込みなどが懸念される中国経済や11月に予定されている米国大統領選挙など、我が国に少なからず影響があると思われ、今後も引き続き注視していく必要があります。国内におきましては、令和6年能登半島地震の復旧・復興への対応や、経済に対し不安視する声がある一方で、令和5年に30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の設備投資など前向きな動きが出てきており、長い間、日本経済に染み付いたデフレから完全脱却ができるか、正念場を迎えている状況です。政府は、令和6年度予算案として、過去2番目の規模となる一般会計予算112兆5,717億円を「歴史的な転換点の中、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れを掴み取る予算」とし、医療・福祉分野で働く方々の処遇改善をはじめとした「物価に負けない賃上げの実現」や「こども未来戦略」に基づく「加速化プラン」の実施、また、我が国周辺の安全保障環境を踏まえた防衛力の着実な強化などに対応するものとされております。一方で、税収は過去最大の69兆6,080億円を確保したものの、国債の発行額は依然として財源の3割以上となり、厳しい財政状況は続いております。

 次に、朝倉市の令和6年度予算をはじめとする市政運営の基本的な考え方につきまして、第3次朝倉市総合計画に基づき、6つの基本目標ごとに申し上げます。まず、一つ目の基本目標「災害に強く、快適に暮らせる安全・安心なまちづくり」についてです。平成29年7月九州北部豪雨による災害復旧事業の多くが完了を見ようとしていた矢先、令和5年7月の豪雨により再度被災いたしました。令和6年度当初予算案においては、令和5年度を大きく上回る85億円超の災害関連経費を計上しており、災害復旧事業につきましては、改良的要素を入れた復旧や被災原因の除去を取り入れた復旧により、再度災害の防止を進めてまいります。さらに、平成29年7月以降、佐田川の治水機能強化のため国に強く求めてきた寺内ダム再生事業が着手されました。事業の早期完了に向けて関係機関と連携しながら、災害に強いまちづくりを目指してまいります。被災地の復興につきましては、朝倉市復興実施計画に基づき、旧松末小学校を活用したコミュニティセンターを整備するとともに、すまいの再建のための宅地分譲を進めてまいります。また、合併前の旧市町時代から同数であった消防団員の定数を見直すとともに、消防団活動に係る待遇改善を行い、団員の確保に努めてまいります。さらには、消防団活動が共有できるシステムを導入いたします。近年の大雨・浸水対策としまして、移動可能な排水ポンプの準備、原鶴調整池へのカメラ設置、総合市民センター駐車場の調整池機能の整備など、災害に強い、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。交通環境につきましては、地域住民の交通の確保及び充実を図るため、4月から高木地区で地域における新たな輸送手段の確保を図ります。また、10月からあいのりタクシー杷木東部線と黒川線の運行形態を見直し、利便性の向上に努めてまいります。都市基盤の整備につきましては、新庁舎へのアクセス道路となる市道来春・一木線につきまして整備を進めるとともに、新庁舎を一つの拠点としたエリアの活性化を図るため、用途地域の見直しを行います。あわせて、安全で安定した水道水の供給を図るため、福岡県南広域水道企業団からの送水施設の整備も進めてまいります。

 次に、二つ目の基本目標「子どもから高齢者まで、健やかに笑顔があふれるまちづくり」についてです。結婚・出産・子育てにつきましては、あさくら“縁”結び会員制度やあさくら出会いサポートセンターJUNOALL(ジュノール)での縁結び事業を継続し、会員増や成婚に向けた取組を進めてまいります。また、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う「こども家庭センター」を設置するとともに、地域や民間団体と連携したこどもの居場所づくり事業や母子手帳アプリを導入した子育てDXなどの支援を進めてまいります。保育所では、使用済み紙おむつの持ち帰りをなくす取組や、医療的ケアが必要な児童への看護師等の配置を支援する取組を進めてまいります。健康づくりにつきましては、令和5年度に策定した第3次朝倉市健康増進計画に基づき、定期的な健診、体力づくり支援、介護予防等に取り組んでまいります。また、令和5年12月に協定を締結した久留米大学と連携し、アンチエイジングや糖尿病教室を計画してまいります。さらには、50歳以上を対象とした帯状疱疹ワクチン接種費用につきましても引き続き助成してまいります。朝倉診療所につきましては、施設の老朽化や市民の利便性向上のため建替えを進めてまいります。介護保険料につきましては、65歳以上の方の第1号被保険者の基準額月額をこれまでより200円減額し、5,800円に改定いたします。このほか、令和5年度から開始した介護の人材確保事業に加え、保育士や看護師の人材確保事業にも取り組みます。また、令和5年度に策定した第2次朝倉市地域福祉計画に基づき、判断力が低下した高齢者や障がいのある方の成年後見制度の利用促進のため、中核となる機関を設置してまいります。

 次に、三つ目の基本目標「次世代につなぐ環境にやさしいまちづくり」についてです。「朝倉市ゼロカーボンシティ宣言」や令和5年度に策定した朝倉市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を実現するため、政府方針と同様、2030年度までに二酸化炭素排出量50パーセント以上の削減を目指し、ゼロカーボン推進補助金として、太陽光発電設備設置、電気自動車購入、V2H(ブイ・ツー・エッチ)設置、ZEH(ゼッチ)建築等への補助を継続してまいります。また、し尿及び浄化槽汚泥の安定的な処理を継続するため、老朽化した汚泥再生処理施設の長寿命化にあわせ、新技術の導入による性能の向上と規模の適正化を図ってまいります。地球温暖化の緩和、水源の涵養機能、災害の防止など森林の多面的機能を確保するため、森林環境譲与税などを活用し森林の保全を図ってまいります。このほか、学校施設等のLED設備の整備とともに、公用車の電気自動車購入を計画的に進め、GX(グリーン・トランスフォーメーション)の取組を進めてまいります。

 次に、四つ目の基本目標「活力ある産業と魅力的な観光資源があるまちづくり」についてです。老朽化した農業用施設の改修など農業基盤の整備を図るとともに、農業及び畜産の施設・機械整備に対する補助や、豪雨災害で被災した農家の営農再開に向けての支援事業を進めてまいります。輸入飼料や燃料価格高騰による負担軽減を図るため、畜産農家に対して支援を行うほか、共同乾燥調製施設及び共同集出荷選果場の運営に係る電気料金の値上がり分に対して補助を行ってまいります。また、朝倉グリーンツーリズム協議会と協力して、朝倉市の魅力発信に取り組むとともに、グリーンツーリズム事業の継続支援を行ってまいります。市内各地域において、地域農業の将来のあり方や農地の効率的かつ総合的な利用に関する目標等を定める「地域計画」の策定を進めるとともに、担い手の確保・育成、農地利用の最適化などに取り組んでまいります。中小企業への支援につきましては、物価高騰等の影響により厳しい経営状況が続いていることから、金融支援や新規創業支援を継続して実施するほか、消費を喚起し市内商工業者を支援するため、20パーセントのプレミアム付商品券を発行いたします。観光振興につきましては、デスティネーションキャンペーンが福岡県と大分県で開催されます。市内観光関連産業においても実りあるものとするため、首都圏でのPR活動や秋月藩成立400年を記念したイベント等を引き続き実施することに加え、原鶴温泉をはじめとする市内宿泊施設で利用できる割引クーポン券を発行いたします。また、雑誌等を活用して春や秋の観光シーズン以外の観光客増加を図る観光プロモーション事業を継続して取り組むほか、新たに鵜飼のイベント活用や水をテーマとしたフォトコンテストを実施いたします。このほか、本年8月のオープンを目指し「水の文化村水辺のふれあいゾーン」のキャンプ場整備を進めてまいります。

 次に、五つ目の基本目標「生きる力を育み、生涯成長できるまちづくり」についてです。児童・生徒が確かな学力、豊かな人間性及び健康・体力をバランスよく身につけながら、学校で楽しく充実して学べる環境づくりとして、小学5・6年生及び中学生に対し、英語・算数・数学のデジタル教科書を導入するとともに、郷土愛の醸成を図るため、朝倉市の歴史、文化等に関する副読本「わたしたちの朝倉」の更新作業を行います。また、中学校全6校にスラックス・スカートなど組み合わせが自由な新しい制服を導入いたします。小中学校施設につきましては、トイレの洋式化等を計画的に整備するほか、通学路の安全確保のため、秋月小学校の北側急傾斜地への崩落防止対策を実施してまいります。このほか、教職員の事務軽減を図るため、統合型校務支援システムを導入し、働き方改革を推進してまいります。また、小中学校の給食費補助につきましても、物価高騰に伴う保護者の負担軽減のため継続して行ってまいります。文化・生涯学習につきましては、市民の学ぶ機会が十分にあり、歴史的・文化的な活動、生涯学習活動及びスポーツ活動に積極的に参加できるよう、文化や体育などの施設補修等を実施いたします。また、令和7年度に開催予定の全国藩校サミット朝倉大会の気運づくりとして、宮崎県高鍋町や山形県米沢市をつなぐ三名君フォーラムの開催を支援するとともに、令和5年度から実施している秋月藩成立400年記念事業として、シンポジウム、企画展、イベント等を開催してまいります。このほか、朝倉市の歴史や文化を再確認し、郷土愛の醸成と市内外への魅力の発信を目的として「あさくら検定」を実施いたします。

 次に、六つ目の基本目標「誰もが尊重され支えあい、市民とともに創る持続可能なまちづくり」についてです。コミュニティ活動の拠点施設の整備につきましては、安川コミュニティセンターの建替えを令和7年度の完成を目指して進めてまいります。朝倉市のシティプロモーションにつきましては、本市にゆかりのある人材を起用するアンバサダー制度やサポーター制度を導入し、地域の魅力を市内外に発信することで、まちのイメージを高めて「朝倉ファン」を獲得し、関係人口の創出・拡大に努めてまいります。移住定住推進の拠点となる移住定住交流センター「コンネアサクラ」をオープンし、きめ細やかな相談体制の充実と移住者や市民の交流の場として運営してまいります。また、移住受入モデル地域制度を導入し、移住定住の実現と地域の活性化を図ってまいります。自治体DXにつきましては、デジタルツール等を活用した業務改善を実施し、市民サービスの向上や事務の効率化を推進してまいります。また、引き続きシニア向けスマートフォン教室を開催し、情報格差の解消に努めてまいります。さらに、コンビニエンスストアでの証明書交付手数料を本年12月末まで10円とし、市民の負担を軽減するとともに、マイナンバーカードの普及・利用促進を進めてまいります。このほか、男女共同参画につきましては、女性の起業応援セミナーを開催し、女性の活躍推進を支援してまいります。

 ここまで、基本目標と主な取組について申し上げてまいりました。このほか、新庁舎建設につきましては、令和8年1月の開庁に向け、市民の皆様に長く愛される庁舎となるよう建設を進めるとともに、新庁舎と甘木駅周辺を拠点としたまちづくりの構想についても進めてまいります。また、力を入れ取り組んでいる地方創生につきましては、令和5年度予算に引き続き地方創生の予算枠を確保し、職員提案による事業を募りました。令和5年度に関係部署により横断的に立ち上げました「こども・子育て戦略会議」と「シティプロモーション戦略会議」につきましては、今後さらに的確・迅速に対応していくため会議を本格化させ、成果を出せるように進めてまいります。

 以上、令和6年度の施政方針について申し上げました。

 令和8年3月には、市制20周年を迎えます。全ての市民に夢と希望と笑顔があふれ、誰もが住みたい朝倉市を市民と創るため、市民の皆様、そしてその代表である市議会議員の皆様と意見を交わし、職員一人ひとりが改善意欲を持ち、積極果敢に行動し、成果を出すよう、私はもとより職員一同、精一杯、取り組んでまいります。

議員各位には、重ねてご理解とご協力をお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

 

 

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