RSウイルス感染症とは
RSウイルスの感染によって引き起こされる呼吸器感染症です。
一般的には乳幼児の呼吸器感染症の原因ウイルスとして知られていますが、高齢者や基礎疾患がある方も肺炎などを引き起こすことがあります。
RSウイルスは、2歳までにほぼすべての子どもが感染するといわれていますが、その後も生涯にわたって何度も感染と発症を繰り返します。そのため、乳幼児だけでなく、成人、特に高齢者にも影響をおよぼす可能性があります。
また、生後6か月未満の乳児、高齢者や喘息、COPD、心疾患などの慢性の基礎疾患がある人、免疫が低下している人がRSウイルスに感染した場合は、肺炎などを引き起こし重症化することがあるため、注意が必要です。
近年は夏から増加傾向となり秋にピークがみられていましが、2021年以降は、春から初夏に増加がみられ、夏にピークがみられています。
感染経路
感染経路は、飛沫感染と接触感染の2種類があります。
飛沫感染 | 咳やくしゃみなどによって飛沫したウイルスを吸い込むことで感染します。 |
接触感染 | ウイルスを含んだ鼻水や唾液などで汚染された場所に触れた手で自分の口・鼻を触ったり、目を触ることで感染します。 |
症状
RSウイルスに感染すると、2~8日の潜伏期間を経て、咳・鼻水、発熱などの症状が出現します。多くは、数日で回復しますが、初めてRSウイルスに感染する乳幼児の場合、約20~30%で気管支炎や肺炎などに発展します。
乳児では、イライラする、活動性の低下、哺乳の低下、10秒以上呼吸が止まるなどの症状も出現します。機嫌が悪く、辛そうであれば、かかりつけ医にご相談ください。
RSウイルスの感染を防ぐために
手洗いや換気など、基本的な感染対策が重要です。
鼻水、咳などの風邪症状があるときは、マスクをしましょう。また、咳やくしゃみをする際はティッシュや肘で覆い、飛沫が飛び散らないようにしましょう。
特に、家庭内や保育園、介護施設など、感染者と密接な接触が多い環境では、感染が広がりやすくなります。感染を広げないために、外出から帰ったら流水・石鹸での手洗いをし、おもちゃや手すりなどはアルコール等で消毒しましょう。