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令和8年度(実施分)住民税税制改正の内容

登録日:2025年10月31日

 令和7年度税制改正において、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策の観点から、給与所得控除の見直し、同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額に係る要件等の引上げ、大学生年代の子等に関する特別控除(特定親族特別控除)の創設が行われました。

※ 改正は令和7年1月1日から12月31日までの収入を基礎とする令和8年度以降の個人住民税に適用されます。

1.給与所得控除の見直し

給与等の収入に適用される給与所得控除について、令和7年1月1日から12月31日までの収入を基礎とする令和8年度の個人住民税から、給与収入金額が190万円以下の方の最低保障控除額が最大10万円引き上げられます。

対象者:給与収入金額が190万円以下の方(※190万円を超える区分の方は改正はありません。)

改正前と改正後の比較
給与等の収入金額 改正前給与所得控除額 改正後給与所得控除額 引き上げ額
162万5千円以下 55万円 65万円 10万円
162万5千円超180万円以下 給与等の収入金額×40%-10万円 10万円~3万円
180万円超190万円以下 給与等の収入金額×30%+8万円 3万円~0万円
190万円超360万円以下 改正なし 0万円
360万円超660万円以下 給与等の収入金額×20%+44万円
660万円超850万円以下 給与等の収入金額×10%+110万円
850万円超 195万円(上限)

(注)給与等の収入金額が190万円超660万円未満の場合の実際の給与所得控除額は、 所得税法別表5の表によって求めた額となります。

2.各種扶養控除等に係る所得要件の引上げ

 令和7年1月1日から12月31日までの収入を基礎とする令和8年度の個人住民税から、各種扶養控除等の適用を受ける場合における所得要件額が10万円引き上げられます。

改正前と改正後の比較
所得要件 改正前 改正後
同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額 48万円 58万円
ひとり親が有する生計を一にする子の総所得金額等 48万円 58万円
雑損控除の適用を認められる親族に係る総所得金額等 48万円 58万円
勤労学生の合計所得金額 75万円 85万円
家内労働者の特例における必要経費に算入する金額の最低保障額 55万円 65万円

※令和7年1月1日から12月31日までの収入を基礎とする令和8年度の個人住民税から適用されます。

【参考】1、2の改正による給与収入ベースでの比較(給与収入のみの方に限る)

改正前と改正後の比較
所得要件 改正前 改正後
同一生計配偶者及び扶養親族の給与収入金額 103万円 123万円
ひとり親が有する生計を一にする子の給与収入金額 103万円 123万円
雑損控除の適用を認められる親族に係る給与収入金額 103万円 123万円
勤労学生の給与収入金額 130万円 150万円

※ 給与収入ベースでの比較は、いずれも判定の対象となる所得が給与所得のみの場合です。他の所得がある方はこの限りではありません。
※ 給与収入金額は、源泉徴収税額、特別徴収税額、社会保険料などが差し引かれる前の額です。いわゆる手取り額ではありません。

大学生年代の子等に関する特別控除(特定親族特別控除)の創設

 従来より、納税義務者に、19歳以上23歳未満である控除対象の扶養親族がいる場合、その納税義務者の前年の総所得金額等から 所得税は63万円、住民税は45万円を控除することとされていましたが、令和7年1月1日から12月31日までの収入を基礎とする令和8年度の個人住民税から、合計所得金額が58万円を超える19歳から23歳未満の親族がいる場合においても、納税義務者が受けられる控除額が当該親族の合計所得金額に応じて逓減(徐々に減少)していく仕組みで新たに設けられます。

以下のいずれにも該当する方と生計を一にする納税義務者
 ●年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者及び青色事業専従者等を除く)
 ●合計所得金額が58万円超123万円以下(給与収入のみの場合は、収入金額が123万円超188万円以下)
 ●控除対象扶養親族に該当しない

親族の合計所得金額と納税義務者の特定親族特別控除額
親族の合計所得金額 納税義務者の特定親族特別控除額
58万円超 85万円以下 45万円
85万円超 90万円以下 45万円
90万円超 95万円以下 45万円
95万円超 100万円以下 41万円
100万円超 105万円以下 31万円
105万円超 110万円以下 21万円
110万円超 115万円以下 11万円
115万円超 120万円以下 6万円
120万円超 123万円以下 3万円

 

【参考】給与収入ベースでの特定親族特別控除

親族の給与収入金額と納税義務者の特定親族特別控除額
親族の給与収入金額 納税義務者の特定親族特別控除額
123万円超 150万円以下 45万円
150万円超 155万円以下 45万円
155万円超 160万円以下 45万円
160万円超 165万円以下 41万円
165万円超 170万円以下 31万円
170万円超 175万円以下 21万円
175万円超 180万円以下 11万円
180万円超 185万円以下 6万円
185万円超 188万円以下 3万円
※ いずれも判定の対象となる所得が給与所得のみの場合です。他所得がある方はこの限りではありません。
※ 給与収入金額は、源泉徴収税額、特別徴収税額、社会保険料などが差し引かれる前の額です。いわゆる手取り額ではありません。
※ 特定親族特別控除に該当する場合は、控除額の適用はありますが、税法上の扶養親族としては扱われません。
給与所得者の非課税となる収入金額(参考)
給与収入金額 改正前 改正後
住民税 所得税 住民税 所得税
~93万円 かからない かからない かからない かからない
~103万円 かかる
~160万円 かかる かかる
※ 判定の対象となる所得が給与収入のみの場合です。他の収入がある方はこの限りではありません。
※ 扶養親族等の人数や本人の状況(ひとり親、障害者等)などによって、非課税となる金額は異なります。

 

子育て支援に関する政策税制

住宅ローン控除について
各入居年における適用条件
  令和4年中の入居
令和5年中の入居
令和6年中の入居 令和7年中の入居
認定住宅で新築・買取再販の控除対象借入限度額 5000万円 4500万円
特例対象個人:5000万円
4500万円
【延長】特例対象個人:5000万円
ZEH水準省エネ住宅で新築・買取再販の控除対象借入限度額 4500万円 3500万円
特例対象個人:4500万円
3500万円
【延長】特例対象個人:4500万円
省エネ基準適合住宅で新築・買取再販の控除対象借入限度額 4000万円 3000万円
特例対象個人:4000万円
3000万円
【延長】特例対象個人:4000万円
一般住宅で新築・買取再販の控除対象借入限度額 3000万円 0円
令和5年までに建築確認を受けていれば2000万円
0円
令和5年までに建築確認を受けていれば2000万円
一般住宅以外の住宅で中古の控除対象借入限度額 3000万円 3000万円 3000万円
一般住宅で中古の控除対象借入限度額 2000万円 2000万円 2000万円
控除率 0.7% 0.7% 0.7%
新築・買取再販の控除期間 13年 13年
一般住宅は10年
13年
一般住宅は10年
中古の控除期間 10年 10年 10年
控除を受ける年分の所得要件 合計所得金額2000万円以下 合計所得金額2000万円以下 合計所得金額2000万円以下
床面積要件 50平方メートル以上
合計所得金額1000万円以下の場合40平方メートル
50平方メートル以上
合計所得金額1000万円以下の場合40平方メートル
50平方メートル以上
【延長】合計所得金額1000万円以下の場合40平方メートル
特例対象個人とは以下のいずれかに該当する者
  1. 年齢40歳未満であって配偶者を有する者
  2. 年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者
  3. 年齢19歳未満の扶養親族を有する者
認定住宅とは下記のいずれかに該当するもの
  1. 長期優良住宅の普及の促進に関する法律に規定する認定長期優良住宅
  2. 都市の低炭素化の促進に関する法律に規定する低炭素建築物または低炭素建築物とみなされる特定建築物
ZEH水準省エネ住宅とは以下のもの

認定住宅以外でエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅(断熱等性能等級5以上及び一次エネルギー消費量等級6以上)

省エネ基準適合住宅とは以下のもの

認定住宅及びZEH水準省エネ住宅以外でエネルギーの使用の合理化に資する住宅(断熱等性能等級4以上及び一次エネルギー消費量等級4以上)

特例対象個人の控除対象借入限度額上乗せの延長

適用時期:令和8年度課税まで

特例対象個人が認定住宅等の新築等をし、令和7年中に入居した場合、控除対象借入限度額が以下の通り上乗せされます(1年間の延長)
 ●認定住宅:原則4500万円→5000万円(500万円上乗せ)
 ●ZEH水準省エネ住宅:原則3500万円→4500万円(1000万円上乗せ)
 ●省エネ基準適合住宅:原則3000万円→4000万円(1000万円上乗せ)

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