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在宅療養のために・・・

ページID:0001781 更新日:2025年12月22日更新 印刷ページ表示

 みなさんは、どのようにして一生を終えたいのか、残された時間をどう過ごしたいのか、どこで誰に看取ってもらいたいのか、など真剣に考えたことがありますか?

 ひと昔前の日本では、自分の家で最後を迎える人がほとんどでしたが、国民皆保険制度ができた1960年代以降は病院でなくなる人が増え、現在では病院で最後を迎えることがあたりまえのようになっています。
 ところがあるアンケートによりますと、最後を迎える場所は『自宅』がよいという人が約半数を占め、次いで『ホスピス』・『介護施設など』で、病院での死を望む人は8%にすぎませんでした。自宅以外を選択した人の中には、本当は自宅で最後を迎えたいけれど、「家族に負担をかけたくない」とか「介護してくれる人がいない」あるいは「病院でないとちゃんとした医療が受けられない」などと考えている人も少なくないのではないかと思います。
 病院では治療が優先されるのが当然といえば当然のことなのですが、患者さんは多くのがまんを強いられ、入院生活は不自由なものです。ですから、病状が安定すれば住み慣れた自分の家で療養したい、できれば最後までの日々は思い出深いわが家で自分らしく過ごしたい、と思うのもまた当然のことなのです。

 「家に帰りたい」「家につれて帰りたい」そうした思いに寄り添い、実現に向けてさまざまなサポートを行うのが『在宅療養』です。
 在宅療養の主役はみなさんです。主役が安心して療養できるように、医療・介護・福祉が連携をとり、在宅支援のチームとなって手助けします。がん・脳卒中・認知症・腎不全・重度の障害など、かかえている問題は人それぞれですが、その人の状態に応じて療養生活をサポートしていくのが在宅療養のよいところです。一人暮らしの方でも利用可能ですし、在宅療養から入院や施設への入所に切り替えることも問題ありません。
 在宅療養の提供に主たる役割を果たすのが『在宅療養支援診療所』です。これは、在宅療養を希望される方のためにその地域で主たる責任をもって診療にあたる診療所、という位置づけで、

  1. 担当する医師または看護師が患者・家族と24時間連絡をとれる体制
  2. 患者の求めに応じて24時間往診の可能な体制
  3. 24時間訪問看護のできる看護師あるいは訪問看護ステーションと連携する体制
  4. 地域の介護・福祉サービス事業所との連携

などいくつかの要件がありますが、朝倉診療所も在宅療養支援診療所として届け出ています。

 在宅療養とは表裏一体の関係になりますが『訪問診療』も行っています。これは、病気や障害のために通院が困難な患者さんに対して定期的に訪問して診療を行うものです。二週間に一回という場合が多いのですが、曜日とだいたいの時間を決めておいてこちらから訪問します。
一方『往診』の場合は患者さんからの依頼に応じてその都度うかがう、という点が異なります。
 病院に連れていけない・連れて行くのが大変だ、病状が不安でいつも連絡をとりたい、入院しないで在宅のまま医療を受けたい、自宅で最後を看取りたい、等の希望がありましたらご相談下さい。

 ここでアドバイスをひとつ。もし朝起きるとすでに息を引きとっているのに気づいたら、どうしたらよいのか?
 在宅療養の場合は主治医か訪問看護ステーションに連絡してください。すぐにかけつけて対応します。在宅療養を利用していない場合もまずは主治医(またはかかりつけの医療機関)に連絡してください。普通はきちんと対応してくれるはずです。もしかかりつけの医療機関がない場合は、救急車を呼ぶか警察に連絡する事になります。救急隊が明らかに死亡していると判断した場合は警察に連絡します。警察が入ると死体検案(検死)となり、殺人現場のような雰囲気にもなりかねません。
 ときどき警察から「検死に来て欲しい」と依頼されることがありますが、行って話をきいてみると、実は他の医療機関にかかっていたという場合もあります。もし最初に主治医に連絡していたら、おそらく検死という大げさなことにはならず、主治医が死亡診断書を書くはずです。くれぐれも連絡する順番を間違えないようにしてください。

 繰り返しますが、誰も避けることができない『死』というものについて真剣に考えてみて下さい。自分にとって最良な最後というのは自分にしか決められません。自分の希望と周囲の希望が一致するとは限らず、その希望が実現できるかどうかは状況によりけりですが、老いや死に正面から向き合いみずからのあり方を考えることは、限りある人生をよりよく生きるためにも大切なことだと思います。
 本人や家族の方たちの思いに応えられるよう、私達は最後までサポートしていきますので、どんなことでも相談されてください。医療の原点は患者と医者との信頼関係です。医者に遠慮する必要などありません。

文責 大坪正明

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