朝倉市移住・定住サイトあさ暮らし
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(大崎愛さんは写真・左から1人目)
朝の澄んだ空気の中、「今日どこ行く?」と子どもたちが顔を見合わせる。川へ、山へ、城下町へ——、2025年4月に開園した朝倉市秋月にある保育園「かてて」では、毎日が小さな冒険の連続です。精神科看護師として働きながら「いつか保育園をつくりたい」と願い続けてきた大崎愛さん。その思いは、秋月の自然豊かな環境と人の温かさに後押しされて、ついにかたちになりました。
自身も3 人の子どもを育てる大崎さんが秋月を選んだ理由や、子どもたちと向き合う日々のこと。そして、「かてて」という園に込めた願いについてお話を伺いました。
※詳しいインタビュー記事は、朝倉市が発行するシティプロモーションマガジン「コンネアサクラ」vol.5に掲載しています。ぜひご覧ください!
私は南阿蘇の出身で、ずっと精神科の看護師をしてきました。その中で、現代のいろんな障壁にぶつかって、しんどい思いをしている人をたくさん見てきました。「小さいうちに何でも受け入れられる柔軟性を育んだら、もっと楽に生きられるんじゃないか」と、ずっと感じていたんです。
結婚して福岡に住むようになって、3人の子の育児が始まった頃、外遊び中心で「子どものやりたい」をすごく丁寧に受け止める保育園に佐賀の基山で出会いました。子どもが毎日、その日を楽しみに自然と目を覚ますし、その日あったことをとても楽しそうに話してくれるんですよ! でも、閉園してしまって。だったら、自分が理想とする保育園を自分でつくろうと思いました。
春日助産院秋月養生処にすごくお世話になっていて、産後もずっと寄り添ってくれる場所なんです。そこで「いつか保育園したいよね」って話す仲間もいました。でも、最後まで残った課題は「場所」。場所が見つからなかったんです。そんな時に、めぐりあわせで、旧秋月保育所である今の場所と出会いました。
水が豊かで、山が近くて、季節がはっきりしていて、人の温かさを感じられる。見た瞬間に「ここだ!」って思いましたね。
2025年4月に「かてて」を開園して、その夏に秋月へ移住しました。園を始めると決めた時から、いずれは住まいも移りたいと家族会議も重ねて、子どもたちの「前の友だちとも会いたい」という希望も全部叶えるかたちで進めました。
「かてて」は自然保育が中心です。毎朝「今日はどこ行く?」と、行き先を子どもたち自身で決めてもらいます。野鳥川、古処山、秋月城跡……。同じ道でも季節や気分で遊び方が変わります。歩いているだけで、どんどん発見していくんです。子どもって本当にすごいですよ。
私は、「できる・できない」じゃなくて、「どうしたらできるかな?」って自分で考える姿を大事にしたいと思っています。子どもを一人の人間として尊重して、関わることがすごく大切だと思っています。
食にもこだわりがあって、できるだけ有機・減農薬のものを選んでいます。味噌やしょうゆなど、日本人が昔から食べてきたものを大切にしています。一日のうちの一食は園で食べるわけですから、丁寧に。
月に一回「料理の日」をしていて、「何つくる?」から子どもと一緒に決めます。包丁を使う場面もありますが、自分が食べるものって、子どもは想像以上に興味を持つんですよ。「あれを入れたらどうなる?」って、子どもの発想を見ているのが面白いです。この夏、トマトやキュウリ、ピーマンが苦手だった子が、自分で育てたら食べられるようになったんです。でも無理に食べさせることはしません。「今日は食べないって決めたんだね」ってまず気持ちを受け止める。その上で興味が生まれるのを待つ。それでいいんです。
園には、朝倉はもちろん、筑前町や小郡、日田からも来てくれています。「巣立っても戻ってこられる場所」にしたいと思っています。
私自身、移住して本当に驚いたのが、地域の人の温かさです。「保育園があるの?」って皆さんが声をかけてくれたり、野菜を分けてくれたり、使わない食器を持ってきてくれたり――。自分がやりたかったことが、おかげですごいスピードで叶っていってます。息子たちが休みの日に杉の馬場を走っていても、誰かしらが見守ってくれます。前の環境も良かったけれど、ここまでの温度はなかったかもしれませんね。
今後は、赤ちゃん食堂や惣菜づくりの事業も園に“かてていきたい”と思っています。私自身、1人目の育児に力が入りすぎてて、しんどくて。2人目、3人目でやっと「いろいろあっていい」と感じられて、楽になりました。それを今のお父さん・お母さんたちに届けたいんです。
オーガニック給食も知ってほしくて、「はぐくむ市」というマルシェも始めています。子育てをしている人にも、していない人にも、かてての取り組みが広がってほしいです。
朝倉、そして秋月は本当にいいところ。一日の移ろい、四季の移ろい、子どもたちと歩く道も、毎日が感動の連続です。長く秋月に住んでいる人でも、先日、朝靄にもいちいち感動していて――、いくつになっても感性が刺激される魅力的なまちなんだなと思います。
かててを「令和の時代に必要なことが身に付く最先端の保育園」と言ってくれるお母さんもいます。ぜひ、違いを見に来てほしいです。「子どもの育ちを一緒に考えられる環境」だと思います。